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help RSS 感情の発露?!:1/17(月)エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル。

<<   作成日時 : 2011/01/21 19:06   >>

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前回グリモーを聴いたのは数年前のベートーヴェンの「皇帝」。
リサイタルに至っては5年以上のご無沙汰ということになるでしょうか。

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前回も、直前に発売されたCDのとおりの選曲・曲順だったけれども
今回もそれを踏襲しています。
選曲に確固たる自信を持っているのでしょうけれど、世界的な不景気、
さらにはネット環境の向上によるダウンロード配信など、音楽を取り巻く状況は変化し、いろいろと工夫しないとCDなどは売れないのでありましょう。

さて、グリモー。
スラリと背が高く、歩き方も軽快に颯爽と現れるのですが、
作り物の塊のようなファッションモデルのそれとは全く異なった、
飾り気のない、実に自然な立ち振る舞い。



ただし、これが演奏となると、全く状況が変わる。



冒頭から大変なモーツァルトでした。
装飾音のついた音にかなりはっきりとしたアクセントをつけ、かなり刺激的に曲が進行します。繰り返しの部分で、変化をつけるのは前回のリサイタル同様でありまして、音量操作も相当にメリハリをつけており、非常に陰影の濃い演奏に仕上げていました。
内田光子さんや、ピリス、ブレンデルなどの演奏を知っている私たちには、相当にロマンティックな解釈で、相当に評価は分かれそうです。
疾走する3楽章も見事でありましたが、2楽章、
天に駆け上がろうとするような右手のパッセージに対し、地に引き摺り下ろすように弾かれた左手の陰鬱な和音の連打などは、非常に悪魔的で、彼女のモーツァルトに対するデモーニッシュとでもいえるような解釈が胸に突き刺さりました。


そして、ベルク。
これも我々がよく知っているポリーニやグールドの演奏とは全く違った、情感が溢れでた、これもまた極めてロマンティックな演奏。
これほどぬくもりのあるヒューマンな演奏をベルクから、そしてグリモーから聴くことができるとは思いもよらなかった。


圧巻はリスト。あのピアニズムであれば、リストは素晴らしいだろうと思って演奏会前から期待はしていたのですが、これは期待以上というか、もう今まで聴いたこのソナタの演奏でも3本の指に入る壮絶な快演!
この巨大な音の塊のようなリストには、椅子に縛り付けられたような衝撃を受け、こちらがへとへとになりそうなほど。
ガシガシ叩いていくかと思う一方で、弱音のエスプレッシーヴォになると、もうとたんに曲想が変わり、我々を一気にメルヒェンの世界に連れ去る。なんとも強烈な対比でありましょう。
前回のリサイタルでも感じた、少し左右の手のバランスが崩れ、音が濁るような印象も若干残っていたとはいえ、そんな微々たる欠陥を吹き飛ばし、頭を掴まれてガクンガクン振り回されるような、情念渦巻く強烈なインパクトのある演奏でありました。

しかしこんなに悪魔的な演奏を聴いたのは、変容前のポゴレリッチ以来。
彼も左手の打鍵が圧倒的でありましたが、グリモーのそれも劣らず、音のブロックが飛んで来るような分厚いもので、聴いてて恐怖すら感じる。

軽妙なバルトークはもうアンコールのよう。
グルックと遺作のエチュードも、カーッとなった心と体をクールダウンしてくれるよう優しい演奏。


最初に書きましたように、今回の公演直前に発売されたCDには
「レゾナンス」という題名がつけられていて、「共鳴」といった意味だそうです。
CDを購入していない私(すいません・・・買っても輸入盤だろうから解説読めねーし)にはその意図ははっきりと掴めないのですが、

モーツァルト、ベルク、リスト、バルトークといった、一見異質に見える作曲家に対し、根底に流れるロマン的な音楽性を、ロマン的なグリモーの解釈を通して引き出し、それぞれの作曲家の共振させている、とでも捉えるのでありましょうか。

前回のリサイタルでも、陰影の濃い、感情を鍵盤にぶつけるような演奏を繰り広げてくれた彼女、
今回も同傾向ながら、ただただ感情に溺れるだけではなく、感情と理性の出し引きがうまく描き分けられている演奏を聞かせてくれて、彼女の成長ぶりに感心させられました。
過去に聴いたグリモーの中でも格段に良かった。

もう次の来日が楽しみになる演奏会でした。


コンサート後は、クラヲタ忘年会でも大変にお世話になりましたromaniさまもうやださまとプチ新年会。
プチといいながら、乾杯のビールのあと、焼酎のボトルへ。9時半前から11時過ぎまで飲みましたが、
ボトル、あいちゃいましたね・・・。一時間半でボトル1本???

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いやはや、いいコンサートのあとのお酒は進みますなぁ!
みなさま、ありがとうございました、
また行きましょう!


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そうそう、この麻婆豆腐、普通の辛さで頼んだのに、辛いっ!
激辛もあるらしいので、こりゃ、あの方々が黙っていないでしょう!(笑)
ぜひ今度、行きましょう!golfさんにがちゃ子さん!




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タイトル (本文) ブログ名/日時
エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル (1/17) @サントリーホール
思いがけないことは、本当に突然やってくるものだ。 今日一日、出張先でどんな話をしたか、あまり良く覚えていない。 今は詳しく書けないけど、このことについては、いつかまた機会をみて書かせていただきたいと思う。 ...続きを見る
ETUDE
2011/01/22 07:25
【399】1/12 エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル@東京文化
2011年1月12日(水)19:00〜 東京文化会館(大) ...続きを見る
まめびとの音楽手帳
2011/01/22 10:28

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
グリモーもキレイ系ですが?!?

彼女のプロフィールはそのキレイな外見からは想像できるのかできないのか、minaminaさんの前回のグリモーの演奏会後の記事と併せて読んで納得したというか、自分の頭の中でどういう演奏かつなぎ合わせることができました。
実際をぜひ聞きたいものです。

今度の来日の時には、私もチェックしとこうと思います。
詳細な記事をありがとうございました。
madahiyoko
2011/01/21 23:44
おはようございます。
ずっしりと手応えのあるコンサートでしたね。
「音楽そのものの充実感」という点で、私は横浜で聴いたツィメルマンを思いだしました。
自分の思いを、「自分の言葉」「自分の音」で明確に発信することって、本当に大切なんですね。
ますますグリモーが好きになりました(笑)
また、アフターコンサートまでお付き合いいただいて、本当にありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。
romani
URL
2011/01/22 07:24
私が聴いたのは別日ですが、同じプログラムに同じ感想(笑)ということでTBさせていただきました。
全く圧倒的なピアノでしたね。ああいうメリハリの効いた人だとは思っていましたが、超絶技巧をひけらかす薄味の音楽家ではなくて、音楽の芯みたいなものもきちんと持っていらっしゃる。あと左手の凄みは私も驚きました。本当に強大なブロックが飛んでくるような迫力でした。
協奏曲や室内楽でも良さそうですが、他を気にしなくていい(?)ソロ・リサイタルで満喫したい音楽世界だなと思いました。
私の次回は26日のアルミンク+新日のフレンチ・プロです。また近いうちにどこかでお会いしましょう!
mamebito
URL
2011/01/22 10:41
>madahiyokoさま
シーッ、美人演奏家シリーズ第2弾だって、ほら、まだバレてないから(バレバレですよね・・・)。
そうです、今年2回目の演奏会も美人系ですが、何か?(逆ギレして見る)。

失礼いたしました。

はい、グリモー、私も実演に触れるまでは「キレイなお姉さんやなぁ〜」だけの印象だったのですが、実演に触れると、ものすごく感情移入というか自分の中に溢れ出そうな感情があって、その発露がピアノという手段なのだと思います。見た目とのギャップに驚かされます。音楽を単なるキレイ事で終わらせないピアニストです。
ぜひ一度実演をお聴きになってみてください!
minamina
URL
2011/01/23 11:54
>romaniさま
こちらこそ大変お世話になりました。
音楽が素晴らしいと、お酒も進みますねぇ(笑)。

テクニックだけはべらぼうにあるけど全然面白くないピアニストが増える中、自分の音楽を追求する彼女、真の芸術家だと感じます。

なるほど、ツィメルマンも自分の音楽を明確に持っている方ですよね。私も大好きです。あの人のリストのソナタも素晴らしい!

またよろしくお願い致します。
minamina
URL
2011/01/23 12:19
>mamebitoさま
あらまぁ、ほんとにまた同じような感想・・・(苦笑)。私の方もTBいたします。
もうおっしゃるとおりで、テクニック一辺倒の某中国系ピアニストとは全く違う世界(書いちゃった・・・)。前回のパーヴォとの「皇帝)も良かったのですが、やはりリサイタルだとグリモーの魅力全開でした。
確か、彼女、左利きなんですよね。そしてポゴレリッチも確か左利き。そして二人とも手が大きい。左手がしっかり聞こえると、輪郭がはっきりするので、ピアノを叩いても音楽的に破綻しないですね。
私、次回は3月のゲヴァントハウスです、今のところ。でも2月も1つぐらい行っちゃうかもしれません。またお会いしましょうね!
minamina
URL
2011/01/23 12:26
そっか、グリモーさん来日されたんでしたね。しまったなぁ〜。。。遠征考えるんでした(滝汗)。
しかも、とても手応え・聴き応えのある演奏だったようで。聴きたかったですなぁ。
終演後も実に美味しそうで。中華に芋焼酎ってのもナイスですね。紹興酒よりも安全っぽいし(?)
左党
URL
2011/01/23 23:44
>左党さま
そうですよ〜、来日しておりました。
東北方面の演奏会はなかったようですね。残念です。
意外と合いましたね、中華と芋焼酎。というか、すごいペースで飲んじゃいました。良いコンサートと美味しい料理があると、お酒進みますヨォ〜。今度ぜひ行きましょう!
minamina
URL
2011/01/24 23:49
こちらでのコメもご無沙汰になってしまいました。
グリモーは左利きですよん!
それと、バルトークがアンコールのよう・・・
ホント、そうだった〜〜
そしてアンコールはまさにクールダウン(笑)

私はリストで、動けなかったですよ。
知らないうちに聴いてるこちらが無心になっちゃうというか。

このレゾナンスの前のバッハのリサイタルを聴けないのが本当に残念・・・。関東地方では3つの公演があったので、どこかでバッハプロがあっても良かったなぁ〜と思ったりして。

彼女のパートナーの男性も見かけたんですけど
これまた長身でイケメン(笑)
お似合でございました〜

それから・・・黙っておりませんよ、辛さにつきましては。美味しそうなマーボーですね。酒は呑めませんけど、辛さならかなり付いていける自分なので、その時は是非お誘い下さい(笑)
がちゃ子
URL
2011/01/25 01:13
お久しぶりです。神戸へ足を伸ばして聴いてきました、グリモーさんは好きなピアニストの一人です。素適な女性だがそばにいるだけで疲れてしまいそうな気がします、芥川賞の朝吹さんも・・・。聴いた感想です、参考まで。

http://w2322.nsk.ne.jp/~kiyoto/grimaud3.html
toyoki@富山在住
2011/01/25 22:10
>がちゃ子さま
ですよね、グリモーは左利きだったようなぁ〜と思いながら聴いていました。
リスト、久々に震えが来ましたよ!ああいうシビれる音楽はなかなか聴くことはできませんよ。

えー、グリモーのパートナーは効かなかったことにして・・・(笑)、ちっ、きっとイケメンでまばゆいほどかっこいいんでしょうなぁ、フンッ!(笑)。

そうそう、麻婆豆腐、結構きましたよ。
そこは安くてボリュームのある中華料理屋さんで、朝5時までやってるんですねぇ。おすすめでございます。是非コンサートの後ご一緒しましょう!
minamina
URL
2011/01/28 21:59
>toyokiさま
うわぁ、神戸まで遠征ですか!素晴らしい!
あれだけの内面のパワーの持ち主ですので、たしかにそのエネルギーに圧倒されて、疲れそうです。

でも、綺麗だから許す(笑)。

やっぱり芸術家はテンペラメントが熱くないと、少々面白みにかけたりしますよね。

感想、読まさせていただきました。おっしゃるとおりです。鎮痛で辛さが際立つモーツァルト、ベルクの芳醇な響き、そして大スペクタクルなアニバーサリー・リスト。ほんとうに見事でありました。
5年前のリサイタルで、感心したとはいえ、彼女がここまで音楽を深めていくとは、正直、思いも寄りませんでした。ますます彼女の演奏が好きになりました。また聞きたいピアニストの筆頭に躍り出た次第です。
minamina
URL
2011/01/28 22:07

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